喘息(気管支喘息)について
喘息(気管支喘息)の原因は「気道の炎症」
近年、成人喘息の患者数は増加傾向にあります。
喘息の有病率
20~45歳成人の約5~9%程度は、喘息を患っていることが判明しています。
喘息で亡くなる人の数は減少傾向にありますが、そのなかでも亡くなってしまう方の多くは65歳以上の高齢者です。
健康な人と喘息の人の気道の違い
人間の気道は、
- 気管支半渦筋
- 粘膜下層
- 上壁細胞
主に上記3つの組織から成り立ちます。
健康な人の気道は、十分なスペースが確保されている一方、喘息の人の気道は、健康な人に比べて気道が狭くなっています。
症状がないときでも常に炎症をおこしており、空気が通りにくくなっている状態です。
炎症がおこっている気道はとても敏感になっています。
正常な気道であれば大きな影響を受けることがないわずかな刺激でも、気道は狭くなり発作が起きてしまいます。
刺激となるもの
- ホコリ
- タバコ
- ストレス など
喘息の特徴的な症状
こんなお悩みありませんか?
- 夜間や早朝に息苦しくなる。(咳が止まらなくなる。)
- 呼吸をするたびに、ゼーゼーヒューヒューという音がする。
→ 喘鳴:ぜんめい - 運動など激しい動作をすると、息苦しくなり咳が出る。
- 冷気や煙にあたると、息苦しくなり咳が出る。
咳が止まらずに苦しい思いをされている方は、生活に支障をきたす前に一度当院までご相談ください。
生活の質を向上させるために、症状を改善いたします。
当院での取り組み
喘息の病態は慢性に持続している気道の炎症です。
よって喘息の治療は、発作をおこさないための気道炎症の治療が中心となります。
炎症をコントロールすることで、気道過敏(ホコリ、寒暖差、アレルゲン、会話などで誘発される咳、呼吸困難)を抑制できます。
- 症状の安定化
- 生活の質の向上
が得られるだけでなく、
- 喘息死などの重篤な病態の回避
- 将来の肺機能低下を未然に防ぐ
など、気道のリモデリングを抑制することで、呼吸苦による生活の質の低下の予防することができます。
症状が軽度な方へ
たとえ症状が軽い方でも、炎症は持続しています。
喘息は症状の軽度重度とわず、継続的な治療が必要となる病態です。
当院では気道炎症を抑制するために、日本呼吸器学会が推奨する吸入ステロイドを中心とした治療を行わせていただいております。
吸入ステロイドは通常量を用いていれば、全身性のステロイドの副作用のリスクはほとんどありません。
逆にこの治療を行わない方のデメリットの方がかなり大きいです。
当院では、薬局さんと連携して吸入指導を行うだけでなく、患者さんに継続していただけるよう、納得とご理解いただけるような説明を心がけております。