長引く咳の原因
こんなお悩みありませんか?
- 風邪をこじらせてから、咳の症状だけが治らない。
- 咳の症状が辛くて、夜も目が覚めてしまう。
- 市販の咳止め薬を飲んでも、症状が良くならない。
など、日常生活に支障をきたしている患者さんからのご相談が多いです。
また「なにか重篤な病気になってしまったのではないか」
と、不安なご様子でご来院される患者さんも少なくありません。
受診するきっかけとなりやすい咳の症状
あらゆる疾患・症状の中でも、咳は病院を受診する理由として頻度が高い症状です。
長引く咳(慢性咳嗽:まんせいがいそう)の主な原因としては、軽度な症状から重度の症状まで幅広く検討されます。
咳の原因として考えられるのは、「風邪」など自然に症状が治るような軽症なものだけではありません。
- 肺がん
- 肺気腫
- 間質性肺炎
- 肺結核 など
生命に危険がおよぶものまで、広範囲の疾患が考えられるため、注意が必要です。
痰を伴う咳
- 副鼻腔気管支症候群
- 慢性気管支炎
と診断されることが多いです。
痰を伴わない咳
- 咳喘息
- アトピー咳嗽(がいそう)
- 逆流性食道炎
などが疑われます。
症状持続期間と感染症による咳嗽比率
※ 咳が続く期間が長いほど、感染症以外が原因で咳が出ている可能性が高まります。
慢性咳の原因疾患
原因疾患の割合
慢性咳嗽のなかでも、日本人の傾向としては咳喘息と喘息が全体の半数以上を占めています。
それについで、アトピー咳嗽等の症状が多い傾向にあります。
主な原因疾患の特徴
咳喘息 | 夜間~早朝の悪化(特に眠れないほどの咳や起坐呼吸) 症状の季節性・変動性 |
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アトピー咳嗽 | 咳嗽症状の季節性 咽頭のイガイガ感や掻痒感 アレルギー疾患の合併(特に花粉症) |
副鼻腔気管支症候群 | 慢性副鼻腔炎の既往・症状 膿性痰の存在 |
胃食道逆流症 | 食道症状の存在 会話時・食後・起床直後・上半身前屈時の悪化、 体重増加に伴う悪化、亀背の存在 |
感染後咳嗽 | 上気道炎が先行、徐々にでも自然軽快傾向 (持続期間が短いほど感染後咳嗽の可能性が高くなる) |
慢性気管支炎 | 現喫煙者の湿性咳嗽 |
ACE阻害薬による咳 | 服薬開始後の咳 |
当院での取り組み
問診、理学所見を重要した検査・診断
当院において長い咳を主訴に受診される方は多いです。
長い咳の原因は先に述べましたとおり様々です。
原因を正しく診断し、特異的な治療を行わなければ、なかなか治りません。
当院では問診、理学所見を重要視し、さらに
- 胸部レントゲン検査
- 血液検査(採血)
- 呼気NO検査
- 肺活量検査
- 喀痰検査
などを駆使して正確な診断に導くよう努力しております。
しかしながら、これらの検査を行っても診断がつかない場合もあります。
その場合は、疑わしい疾患の治療を実際に行ってみて、その治療反応性をみて初めて診断を導く手法(診断的治療)を選択します。