甲状腺とは
甲状腺は、気管を包み込むような形で喉ぼとけのすぐ下に位置する小さな臓器です。
大きさは「たて4cm・厚さ1cm・重さ15g」程度、蝶が羽を広げたような形をしています。
本来、甲状腺は外から手で触っても分かりません。
しかし、異常をきたして腫れてくると手で触ることができます。
甲状腺ホルモンの働き
甲状腺は、ヨウ素を主原料にして甲状腺ホルモンを作ります。
甲状腺で作られた甲状腺ホルモンは、血液の流れに乗って全身の細胞にはたらきかけ、新陳代謝を活発にするはたらきを担います。
また、骨や神経、精神状態にも関わり、子どもの場合では成長ホルモンと共に発育を促進するなど、人間が生きていくうえで必要不可欠なホルモンです。
脳の活性化
- 思考のバランス
- 反射のバランス
脳に作用して、その働きを活性化する。
熱量産性作用
- 体温の調整
- 基礎代謝の調整
新陳代謝で得られたエネルギーで、
体温を調整する。
循環器の活性化
- 心拍のバランス
- 血管のバランス
心臓の働きを活性化する。
消化器の活性化
- 動きのバランス
- 吸収のバランス
胃腸の働きを活性化する。
生殖器の活性化
- 卵胞の成長
- 性交能力
生殖器の働きを安定させる。
新陳代謝の促進
- コレステロール
- ビタミン など
全身の細胞の新陳代謝を促進して、
エネルギーを作る。
甲状腺の検査・診断
当院での取り組み
一度ご相談下さい
- 健康診断や人間ドックで甲状腺の腫れを指摘された。
- 甲状腺ホルモンの異常を疑わせる症状がある。
以上のような方は、当クリニックでの検査をおすすめいたします。
血液検査や甲状腺エコー検査(超音波検査)で、異常が発見されることがあります。
- 血液検査
→ 甲状腺ホルモンの値、自己抗体の値(必要時)を測定 - 甲状腺エコー検査
→ 甲状腺の大きさ、しこり(腫瘤)の有無、またリンパ節や副甲状腺の腫れを確認します。
代表的な甲状腺疾患
甲状腺異常の4タイプ
甲状腺ホルモンが多い状態(バセドウ病など)
甲状腺全体がゴツゴツと硬く腫れる。
甲状腺ホルモンが少ない状態(橋本病など)
甲状腺が肥大し、柔らかく弾力性がある。
【良性】甲状腺にしこり(腫瘤)ができた状態
「しこり」が柔らかく、滑らかで動きやすい。
【悪性】甲状腺にしこり(腫瘤)ができた状態
「しこり」が硬く、ギザギザして動きにくい。
甲状腺ホルモンの異常によっておこる症状
甲状腺ホルモンの分泌は、多くても少なすぎても体調が悪くなってしまいます。
私たちが健康に過ごすためには、ホルモンバランスが常に適正に保たれていることが大切です。
以下のチェック項目について、どちらか4つ以上当てはまるものがあったら、一度血液検査をおすすめいたします。
甲状腺ホルモンが多すぎるときの症状
- 甲状腺が腫れる。
- 疲れやすさやだるさを感じる。
- 汗をかきやすい。(暑がり)
- 食べているのに痩せる。
- イライラする。
- 脈が速くなる。(動悸がする)
- 息切れがする。
- 下痢をしやすい。
- 手足がふるえる。
- かゆみがある。
- 頻繁に口が渇く。
- 眠れない 日が続く。
- 微熱が続く。
- 排便の回数が増える。
- 髪の毛が抜ける。
- 眼球が出てくる。
- (子どもの場合)急に背が伸びる。
※ 甲状腺機能亢進で現れる症状
甲状腺ホルモンが少ない時
- 甲状腺が腫れる。
- 疲れやすさやだるさを感じる。
- いつも眠気を感じる。
- 冷え症である。(寒がり)
- 食欲がないのに太る。
- 脈拍数が少ない。
- 心臓の働きが悪くなる。
- 便秘がちになる。
- 汗をかくことが少ない。
- 顔や全身がむくむ。
- 気力がない。
- 皮膚が乾燥する。
- 声がかれる。
- 物忘れしやすい 。
- 動作が鈍い。
- 髪の毛が抜ける。
- 筋力が低下する。
- (子どもの場合)発育が悪くなる。
※ 甲状腺機能低下で現れる症状